[アンサンド処理ロッドとノーマルサンド処理ロッドについて]

 

図1.竹材(バンブー)の断面図

 図1.は竹素材(バンブー)の断面写真です。

 竹の最外層がエナメル層と呼ばれる部分で、内部にパワー・ファイバーと呼ばれる竹繊維とピスと呼ばれる柔らかな部分が長手方向に沿って存在しています。

 ピスは全ての細長いファイバアーを束ね、竹としての強度を維持しており、大変重要な役割を果たしております。

 もし、ピス部分とファイバー部の結束力が弱ければ竹本来(ファイバー、エナメル層など)の強度が発揮されないことになります。

 DFロッドではより安定した耐久性を得るためピス部分にオイルを浸透させファイバーとピスの結束力を補強しています。

 竹の最外層にあるエナメル層は本体内部が病害虫から攻撃されることを防御するため、非常に硬く、丈夫で平滑な状態になっています。

 更に、最外層にある為、最大応力(雨、風、雪などで生じる自然の力による)に耐える柔軟性や外部からの衝撃(砂粒、小石など)に耐えうる堅牢さも兼ね備えています。

 しかしながら、実際には最外層の表面には多くの物理的な傷やシミなどがあり、ロッドの外観上などの問題のためにエナメル層は削られてしまう事が一般的となっています。

(1)アンサンド処理ロッドについて

 

                                     図2 フル・アンサンドロッドとセミ・アンサンドロッド

 アンサンド処理はエナメル層の優れた特徴を生かすため、表面の傷などを避けてアンサンド用の材料を作り出しますが、実際には一本の竹材から無傷の部材が取れるとは

限りませんので、常時製作できる訳ではありません。

 又、シミなどの部分はロッド強度に影響の無い場合は”ロッドの景色”として許容しています。

 アンサンド処理ロッドはエナメル層の柔軟性によってしなやかさがより感じられ又、エナメル層の耐久性がロッドにも十分生かされると考えられます。

 表面色は火入れ後の竹本来の色で薄黄茶色となります。

 ノーマル処理ロッドのように竹のファイバーの美しさは出せませんが竹本来の自然な色であり、竹の特徴が十分に発揮されるロッドではないかと考えます。

 アンサンドロッドとしてはだけを削ったセミ・アンサンドロッドも削らないフル・アンサンドロッドの2種類があります。 図2はフル・アンサンドロッドとセミ・アンサンドロッドの外観図です。

 特にフル・アンサンドロッドは節を残した為、独特の雰囲気を持つロッドとなっています。