3.デュアル・フレックス・ロッドの設計法
この章ではデュアル・フレックス・ロッドの設計法について説明します。計算例と削りだした各片の組立方法について説明いたします。
3.1 曲率カーブの設定と計算結果
”(4)設計手順” で述べましたようにフライライン、フェルール、ロッド自重、その他の部品などによるロッド各位置(5インチ毎)に加わるモーメントを計算し、その結果指定の曲率になるように、各部のロッド径(正三角形断面の各ピース(6片)の2倍の値)を計算することになります。
図1はギャリソン 8’ #6 ロッドのデータから、例題として作成した設計用の曲率カーブです。
キャスティング方向の曲率(ロッドの強さ)はオリジナルのロッドの強さと同じ特性になっています。
通常のロッドでは水平方向の曲率(ロッドの強さ:スパイン呼ばれる場合があります)はキャスティング方向と同じですが、デュアル・フレックスでは別に設定することになります。表1に設計上のデータを記載してあります。
図1の例では、水平方向の曲率(ロッドの強さ)を部分的には20〜30%程度強く(曲率値では小さく)設定してあります。
また、この例では先端から5インチ部分は曲率が同じですので、通常の正六角形断面をもつことになり、このような設定によって、水平方向が強く、横ぶれし難いロッドの設計が出来ることになります。
表1 はこの設計用曲率カーブからコンピュータによってロッドの径を計算した結果です。
当然のことながら、キャスティング面側に組み立てられる2片のピースと水平方向側に組み立てられる4片のピースの寸法が異なっています。この状態では実際のロッドは組み立てられませんので、次の章で実際の組み立て手順について説明いたします。
図1 DFFRロッドの設計用曲率カーブ
表1中の計算結果ロッド径は各ピースの正三角形の高さを2倍した値となっています。
例えば、60インチ部分のキャスティング面を構成する片(2片)の三角形断面の高さは(0.27484インチ/2)であり、水平方向に組み立てられる片(4片)の三角形断面の高さは(0.23398インチ/2)になります。
これらの数値を用いて各ピース(2片+4片)を削り出す事になります。